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生前整理の完全ガイド|始め方・進め方から便利なサービス・ツールまで紹介

生前整理は、死後に備えて、元気なうちに身の回りを片付けることをいいます。大切なもの・価値あるものはわかりやすく区別し、不用品は処分しておくと、家族が物の処分に困ることが減り、感謝すらされるでしょう。

 

今回は生前整理をテーマに、始め方から具体的な進め方、注意点まで網羅して解説します。使ってみたい便利なサービスや、年代別に進めたい生前整理の内容もまとめました。

 

シニアだけでなく、30代や40代の若い人からも注目される生前整理。今日から手を付けるきっかけとして、ご活用ください。

 

生前整理とは?定義を再確認

 

はじめに、生前整理の定義や目的をあらためて確認しましょう。似た概念の「老前整理」「遺品整理」との違いも解説します。

 

生前整理とは

生前整理は「自分の死後、遺族に迷惑がかからないように」と、身の回りの品や情報を整理しておく作業です。「遺された人に対して」整理する点が、ポイントです。

 

死後は、自分が遺品の整理に携わることはできません。遺族が混乱やトラブルなく、遺品を整理できるように整えます。身の回りの品や財産の整理、不用品の処分のほか、遺言書やエンディングノートの作成、葬式に対する希望をまとめても構いません。

 

人生の終わりと向き合わざるを得ないため、気が進まない人もいるでしょう。ただ、生前整理しないまま亡くなると、遺族が遺品・遺産を巡ってトラブルになったり、家の片付けに大変な労力がかかったりする場合もあります。 気力・体力があるうちに、手を付けておきたいことの一つです。

 

老前整理・遺品整理との違い

老前整理とは、自分自身の老後を充実させるために行う作業です。セカンドライフのQOL(Quality of life・生活の質)を高めるための整理と考えてOKです。 老前整理の具体例は、以下のとおりです。

 

  • 不用品を処分して身軽になる

  • 長生きするために健康管理を始める

  • 一軒家を手放してマンションに引っ越す

  • 財産運用や保険の保障内容を見直す

 

また、遺品整理とは、あなたが亡くなった後に、遺族があなたの持ち物や家をきれいにする作業です。要不要の判断は家族に委ねられ、あなたは口出しできません。遺族が処分に困る品も多く、「生前整理しておいてくれたら助かるのに」と声があがる場面も見られます。

 

生前整理したほうが良い5つの理由

生前整理は、元気なうちにしておきたい作業です。その理由を、5つの観点から解説します。

 

自分自身を見つめ直すきっかけになる

生前整理は、自分の死を連想させます。ネガティブで気が進まない作業に思えるかもしれませんが、実は自分自身を見つめ直すきっかけにもなります。

 

大切なモノや価値ある品を整理する際は、モノにまつわる記憶や人間関係が思い出され、自分の人生を振り返ることになるでしょう。家族や大切な人にメッセージを残す場面では、その人が自分に与えた影響を振り返るかもしれません。 周りの人への感謝の気持ちや、人生に対する思いをまとめる機会にもなります。

 

生前整理は、普段見過ごしがちな自分という存在、そして人生をあらためて考える時間となるはずです。

 

家族の負担を軽減できる

生前整理しておくと、遺品整理の負担を軽減できます。

 

実際、生前整理せずに亡くなった人の遺族からは、こんな声がありました。

 

父が亡くなった後の、多方面にわたる手続きや片付けが本当に大変だった。

生きている間に、何をどうすれば良いか、もっと聞いておくべきだった。

 

すぐに遺品整理できると考えていたが、ありとあらゆる物が出てきて、とても時間がかかった。

銀行や郵便局、農協などの手続きも面倒で大変だった。

 

遺品整理にかかる費用について、兄弟・親族と揉めた。

兄弟や親族の信頼関係が崩れ、これからの関係に恨みを残すことになってしまった。

 

「大切な物を処分するのは、気が進まない。自分が死んだあとに、まとめて片付けてほしい」と考えるかもしれません。しかし、家族はあなたが思う以上に、負担を感じるもの。 生前整理をしっかりしておくと、葬儀が終わってからも「さすがだね」と家族から感謝してもらえるかもしれません。

 

大切な品を確実に残せる

生前整理は、自分が元気なうちに身の回りを整理します。大切な品や価値ある物など、確実に残しておきたい物を、そうとわかるようにしておける点もメリットです。 生前整理しないまま亡くなると、残った物の処分方法は家族に一任されます。

 

死後の手続きで忙しい家族が、品物を一つひとつ確かめ、確実に片付けるのは至難です。 業者を呼び、一括で引き取りを依頼するケースがあることからも、遺品整理の大変さが見て取れるのではないでしょうか。本当は価値がある物が、十把一からげにされてしまう可能性もあります。 生前整理し、品物の価値をわかるようにしておけば、家族が相応に片付けてくれるはずです。

 

想定される相続トラブルを防止できる

財産目録や遺言書の作成も、生前整理に含まれます。明晰な判断が下せるうちに財産を整理し、遺言書をつくっておくと、死後の相続トラブル防止に効果的です。 遺言書がない場合、法定相続人が遺産を分け合います。

 

しかし、相続人同士の関係性が良くない場合、骨肉のあらそいになりかねません。 また、「法定相続人以外の人に相続させたい」「特定の人や団体に遺したい」「遺産は寄付したい」といった場合も、遺言書がなければ希望が叶いません。 生前整理を通じてすべての財産を目録にし、遺言書を作成することで、相続人同士の不要なトラブルを防げます。

 

部屋がすっきりと片付く

生前整理を済ませると、目に見えて部屋がすっきり片付きます。タンスや押し入れの奥、物置やクローゼットにあった多くの不用品が処分されるためです。 いったい、私たちの家には、どれくらいの不用品がしまいこまれているのでしょうか。

 

たとえば、一般的な一軒家には、5,000〜1万枚の紙焼き写真があるといわれます。遺品整理は、1〜2部屋/1〜2人暮らしの場合でも、2トントラック以上が必要です。 また、「いつか片付けないと」と思いながら処分を先延ばしにしていたひな人形や五月人形、壊れた家電、趣味の物など、生前整理を始めると意外にいろいろと出てくるものです。

 

気になっていた不用品をすべて処分できるきっかけになるのも、生前整理のメリットでしょう。

 

生前整理を始めるベストタイミング

 

生前整理は「何歳になったらすべき」という決まりはありません。生前整理を始めやすいタイミングを、3つ紹介します。

 

いますぐ

ベストタイミングは「いますぐ」です。生前整理の必要性を理解していても、先延ばしにしているうちに、いつしか月日は過ぎてしまうもの。 思い立ったその日に始めてみましょう。 なんといっても、今日は人生で一番若いときです。気力と体力、判断力が必要な生前整理は、少しでも若いうちから始めるのがおすすめです。

 

子どもが独立したとき

子どもの独立を機に、セカンドライフを考える人も多いのではないでしょうか。子どもが自立し、家を出たタイミングも、生前整理のスタートにおすすめです。 このタイミングを逃すと、子ども部屋がいつしか物置化します。また、子どもの持ち物の要不要を判断しやすくなります。

 

人生の節目

生前整理に着手するきっかけがない場合は、人生の節目を利用しましょう。生前整理は、それまで歩んできた人生を振り返る時間でもあります。自分の人生を見つめ直す意味でも、人生の節目との相性は悪くありません。 生前整理におすすめの節目には、以下の例があります。

 

  • 還暦(60歳)や古希(70歳)など、節目の年齢になった
  • 住宅ローンが終わり、住み替えやリフォームを考え始めた
  • 病気や入院、体調の変化などがあった
  • 離婚や死別、卒婚などで、一人暮らしになった
  • 長年勤めていた会社を退職した など

 

【年代別】生前整理しておきたい対象

身の回りの品や趣味のグッズ、衣類から、不動産に財産、デジタル情報まで、生前整理の対象は多岐に渡ります。 ここからは、年代別に優先的に取り組んでおきたい生前整理の対象を紹介します。

 

30~40代

30〜40代は、まだまだ健康で働き盛り。子育てに邁進する人が多い世代です。日々目まぐるしく過ぎ、じっくりと物の整理に向き合っていられないケースもあるでしょう。 子どもの持ち物が増え続けることもあり、形ある物の整理には不向きです。

 

30〜40代の生前整理は、大切な情報の整理をおすすめします。情報が整理されていると、万一の事故や病気の備えにもなります。 たとえば、子どもの写真が溜まり続けるスマートフォン。溜まったデータを、将来的にどうするか、決めているでしょうか。 いまのうちにルールを決め、適切な仕分けと保存を始めておくと、数十年後に写真整理で困る場面を減らせます。 書類や大切な情報を一か所に集約させたり、各種サービスのIDとパスワードをノートにまとめたりするのもおすすめです。

 

50~60代

子どもの独立や定年退職を迎える50〜60代は、セカンドライフの充実を視野に入れ、物と心の整理を進めましょう。

 

目に見える物を整理しながら、人生を振り返る作業を通じて、徐々に心も整理されていきます。不要な物の処分が、心にゆとりを生み出すこともあります。価値観のアップデートや、新しい生き方に気づけるかもしれません。 50〜60代で取り組む生前整理のポイントは、本当に必要な物を厳選して残すことです。つい「もったいない」「まだ使える」「いつか役に立つかも」と残してしまいがちですが、これはいつまで経っても片付かない原因になります。

 

これからの自分と、家族にとって本当に必要な物だけを残すようにしましょう。次の章では、必要な物をより分けるコツを紹介します。引き続き、ご覧ください。

 

それ以上

70代以上の生前整理では、いよいよ「自分亡きあと」が現実的になってきます。自分の死後を考え、家族を思いながら悔いのない人生になるよう整理を進めましょう。 遺言書や財産目録を作成し、円滑に相続が進む準備をしておくことも大切です。

 

葬儀の執り行い方や希望、葬儀社の選定、墓地がない人は墓地の手配をしておいても良いでしょう。 使っていない銀行口座の解約、金融機関から引き落としされる項目の記録、借金の返済なども重要です。

 

生前整理の進め方

ここからは、生前整理の進め方を5つの手順に分けて、具体的に解説します。

 

1. 生前整理の目的を確認する

生前整理の作業を始める前に、目的を明確にしましょう。 不用品を処分したり、物の保管場所を記録したり、データを片付けたりと、生前整理は作業が多方面に渡り、相当な労力がかかります。

 

せっかく生前整理を始めても、面倒になり途中で投げ出したくなるかもしれません。 また、年齢が上がるほど、時間がかかるほど、生前整理は億劫になります。 具体的な作業に着手する前に、「なぜ生前整理を行うのか」をしっかり考えておきましょう。できれば文章にして、残しておきます。 目的が明確になっていれば、途中で投げ出したくなったときも、初心にかえり、自分を奮い立たせることができます。

 

2. 生前整理の対象を確認する

生前整理の目的を明確にできたら、次に整理する対象を洗い出しましょう。整理しておきたい対象は、以下の3つです。

  • 情報
  • 財産

 

情報とは、物ではないが大切なものです。インターネットサービスのID・パスワード、スマートフォンのパスワード、パソコンに保存されたデータなどが含まれます。

 

物とは、形ある品。身の回りの物から趣味のグッズ、写真、衣類、家具、家電など、家の中にあるあらゆる物が対象です。

 

財産は、保険証券や通帳、不動産関連の書類、有価証券、会員権などです。相続のトラブルを防ぐためには、プラスの財産だけでなく、負債も記録しておくことが大切です。

 

情報、物、財産の3つの対象のうち、もっとも手を付けやすいのは、情報です。反対に、物の整理は、いつまで経っても終わりが見えず、挫折しやすくなります。 まずは情報を整理し、やり方のコツをつかんでから、財産、物…と進んでいっても良いでしょう。

 

3. 要不要を判断する

生前整理の対象物を前にしたら、要不要を判断します。「要」と判断したものは整理・保管に回し、「不要」なものは速やかに処分します。

 

ただし、すべての物を順調に「要/不要」にわけられるかというと、そう簡単にはわりきれないものです。「家族には不要だが、自分には必要。死ぬまでは持っていたいもの」「処分は忍びない、思い出の品」など、判断に迷う物もたくさん出てきます。

 

「要/不要」に加え、「迷っている」「死後、処分して良い」と分け方のバリエーションを増やすと、スムーズに作業が進みます。 何もかも処分してしまい、生前整理した後の生活が味気なくなった、という声もあります。残りの人生を悔いなく生きるためにも、判断は慎重に進めてください。

 

4. 不用品は速やかに処分する

整理しながら「不要」と判断した物は、すぐに処分しましょう。ここで押し入れや物置に戻すと、整理する前と同じ状況になってしまいます。 不用品を処分する方法は、3つあります。

 

  • リサイクルショップやフリマアプリで売る
  • 知人に譲る
  • 廃棄する

 

まだ使えるものや、市場にニーズがありそうなもの、骨董的価値があるものなどは、リサイクルショップやフリマアプリを利用しましょう。不用品に価値がつき、思わぬ収入になる場合もあります。

 

売るほどではない物、捨てるのは忍びない物は、知人に譲る方法がおすすめです。

 

売ることも、譲ることもできない物は、思い切って廃棄しましょう。「量が多い」「処分方法がわからない」と困る物は、不用品処分業者に依頼すると安心です。

 

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5. 整理が終わったら、家族と共有する

生前整理が完了したら、家族と整理した内容を共有します。エンディングノートにまとめて、ひと目でわかるようにしても良いでしょう。

 

  • 何が・どこにあるのか
  • 重要な物は何か
  • 家以外の保管場所(銀行の貸金庫など)はあるか
  • 死後に必要な手続きは何か

 

上記の情報を把握しておければ、万一のときにも家族が慌てなくて済みます。

 

また、生前整理を通じて振り返った自分の人生への思い、これからのセカンドライフで成し遂げたい夢なども、ぜひ家族と分かち合ってみてください。

 

【種類別】生前整理を手際よく進める方法

 

対象物に適した方法を選択し、生前整理を手際よく進めましょう。財産・思い出の品・身の回りの物・デジタル情報の4つのカテゴリーに分け、生前整理の能率を上げる方法を解説します。

 

財産

財産は「財産目録」をつくり、誰が見てもひと目で分かる状態を目指します。財産目録とは、所有する財産を一覧にしたリストです。 財産目録の作成は、財産を再確認する機会になります。財産の整理だけでなく、誰に遺すかも決めておくと、遺産分割協議でのトラブルを防げます。また、相続作業の負担も軽減できます。 財産目録を作成するポイントは、次の3つです。

 

  • 財産情報は、詳細に記載する
  • 価額は、基準を明示する
  • 特記事項も忘れずに書く

 

財産目録には、プラスの財産もマイナスの財産も記載します。価格は、いつ時点の・何を基準にしたものか、明確にしましょう。相続では、財産の持ち主が死亡した時点での評価額(相続評価額)が重要になるためです。 共有名義の不動産など、特記事項も忘れずに書きます。 財産目録には、以下の情報を記載します。

 

  • 財産の種類・地目
  • 詳細情報(所在地、金融機関名、内容など)
  • 数量・面積・持ち分
  • 相続開始時の評価額
  • 特記事項

 

書き方が分からない場合は、司法書士や税理士、行政書士などに相談しましょう。

 

思い出の品

思い出が詰まった品は、処分しにくいものです。とはいえ、家族も同じように大切に思ってくれるかは、別問題。生前整理をきっかけに、一つずつ片付けていきましょう。

 

生前整理を始めると、久しぶりに思い出の物を目にして、懐かしい思いが募るものもあるでしょう。 その思いを踏まえながら、「物としてとっておくのか」「写真に残して物は処分するのか」を判断します。次の3点を満たす物は、処分を検討しましょう。

 

  • もう使う予定がない
  • 見返したくない
  • いつでも手に入る

 

たとえば、とっておいた年賀状や名刺。よく見ると、今はもう関係性がない人も多いのではないでしょうか。色があせ、紙切れ同然になった物は、捨てても良いでしょう。 恥ずかしい表情を撮られた写真など、自分が二度と見返したくないと感じるものも、思い切って処分します。

 

反対に、絶版になった本はどうでしょうか。捨てたあとに「もう一度読みたいな」と思っても、手に入りません。捨てると後悔する可能性があります。

 

もし「捨てる」ことにためらいが残る場合は、写真を撮ってみましょう。写真という形で思い出を手元に残せるようになり、捨てることに対する心理的ハードルが下がります。

 

身の回りの物

思い出の品ではない身の回りのものは、もっとも量が多く、手間も時間もかかります。断捨離の精神で、どんどん整理を進めましょう。

 

手際よく進めるコツは、次の2つです。

 

「自分以外の人が片付けることになったら」という視点で判断する

 

引き出し一つなど、少しずつ進める

 

生前整理は、遺された家族のために行う作業です。自分と家族では、物に対する価値観が違うはず。家族の視点で身の回りの物を見て、残すかどうか判断しましょう。

 

箱に入った高級な食器セットも、子ども世帯の好みに合わなければ、いずれ処分される可能性が高いです。自宅で冠婚葬祭をしなくなった現代、数十枚の座布団も不要ですね。

 

また、身の回りの品は量が多い分、一度に進めようとすると挫折します。「今日はこの引き出し一つ」「今日はクローゼットの右側だけ」と取り組む範囲を細かく決め、少しずつ進めましょう。

 

デジタル情報

現代の生前整理は、デジタル情報の整理も重要です。「スマートフォンしか持っていないから」「大切な情報は入っていないから」と放置しておくと、自分の死後、家族に思いもよらない負担をかける場合があります。 たとえば、以下の項目に心当たりはないでしょうか。

 

  • スマートフォンのキャッシュレス決済サービスに、多額の残高がある
  • サブスクリプション契約がある(動画配信サービス・定期購入サービスなど)
  • オンラインで有価証券を運用している
  • SNSやクラウドサービスを利用している

 

近年のデジタルサービスの多くは、スマートフォンでの利用を前提にしています。ただし、スマートフォンはセキュリティーが非常に強固です。遺族がスマートフォンの中身を確認しようとしても、簡単には開けません。もちろん、通信キャリアのショップもロック解除には応じません。

 

パスワードを規定回数以上、誤入力すると端末が初期化されるものもあり、遺族が手も足も出せないのが実情です。

 

生前整理では、少なくとも以下の情報は記録に残しておきましょう。

 

  • スマートフォンのロックを解除するパスワード
  • 契約しているサブスクリプションサービス(思い出せる限り)
  • 利用しているSNSとアカウント名
  • オンラインでの資産運用・取引の有無、ある場合はサービス名も
  • 自分の死後、退会手続きをしてほしいサービス(IDとパスワード)

 

生前整理で注意したいポイント

ここまで、生前整理の進め方を解説してきました。あらためて、生前整理を円滑に進めるポイントや、注意点をまとめます。

 

生前整理は決して難しい作業ではありません。ただ、時間と手間がかかるのは確かです。元気があるうちに、できるところから着手するのが、生前整理を完了させるコツです。

 

価値あるものまで処分しない

「さあ、整理するぞ!」と張り切って目につくものを片端から捨て、「価値があるものだと分かった」「捨てなければよかった」と後悔するのはよくあるケースです。 生前整理は、物を捨てることが目的ではありません。自分の死後、家族にかかる負担をできるだけ少なくすることが目的です。 物の価値があるか迷ったら、一旦保管しておくほうが無難です。専門家に見てもらったり、子どもがネットオークションに出してくれたりするかもしれません。 「欲しがる人がいるのだろうか」と思う趣味の品が、思わぬ高値で売れる場合もあります。

 

一度にすべてやろうとしない

生前整理は、一気にすべてを完了させようと思わないようにしましょう。

 

「早く終わらせたい」と家中の物を出すと、量の多さに圧倒され、途中で挫折します。気が急いたばかりに、本当はとっておきたかったものまで処分してしまうことも起こり得ます。

 

引き出し一つ、タンス一つと、できる範囲で無理なく進めましょう。しかし、無理なく進めるのは時間がかかります。だから、元気なうちに始めたほうが良いのです。

 

生前整理を始める前に、やることを書き出した「タスクリスト」を作る方法もおすすめです。やるべきことが明確になり、順序よく進められるようになります。

 

家族やパートナー、プロの手も借りる

生前整理は、パートナーや子どもにも協力してもらいましょう。体力的に、一人ではできない作業はもちろん、人手があれば、それだけ作業がはかどります。

 

家の中の片付けや不用品処分を手伝ってくれるプロの手を借りるのもおすすめです。出てきた不用品を即日持っていってもらえば、家の中が目に見えてすっきりして、やる気も出るはずです。 生前整理は、親から子に「手伝ってほしい」と切り出しましょう。生前整理は“親の死”と無関係ではないため、子どもからは言い出しにくいものだからです。 子どもを誘って一緒に整理を進めると、物の保管場所や重要度をスムーズに共有できるメリットもあります。

 

処分の仕方にも注意が必要

不用品を処分する際は、捨て方にも注意しましょう。 自治体のごみ回収に出せるものは、ルールに従って廃棄します。リサイクルショップに持ち込む予定の物は、できるだけキレイにしておきます。 粗大ごみや家電など、ごみ収集場所に出せない物の処分は、業者に依頼します。自宅まで引き取りに来てくれる業者や、宅配タイプの業者もあるため、自分に合ったサービスを選びましょう。 ただし、こうしたサービスは、悪徳業者によるトラブルも報告されています。トラブルに遭っては、せっかくの生前整理を気持ちよく進められません。 信頼できる業者か事前に見極める視点を大切にしましょう。

 

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円滑な生前整理のために活用したいサービスなど

生前整理を円滑に進めるために、活用したい便利なサービスを紹介します。

 

エンディングノート

記事でも何度か登場した「エンディングノート」。死後、あるいは意志疎通ができなくなったときに、家族に向けて必要な情報を書き残すノートです。 生前整理でまとめておきたい項目があらかじめ書かれているため、項目を埋めるだけで家族に自分の意志を遺せます。

 

遺言書と異なり、エンディングノートは法的効力を持ちません。ただ、気軽に、形式にとらわれず、自分の意志を素直に綴れます。 書店に行くと、さまざまなタイプのエンディングノートを比較できます。ぜひ、チェックしてみてはいかがでしょうか。

 

遺言書(法務省様式)

遺志に法的効力を持たせるためには、遺言書が必要です。遺言書には、規定の形式があります。形式に不備があると遺言書が無効と判断されるため、様式を守って作成しましょう。

 

遺言書の様式は、法務省管轄「自筆証書遺言書補完制度」のページで紹介されています。

 

また遺言書には、公正証書遺言・自筆証書遺言・秘密証書遺言の3種類があります。要件や保管場所がそれぞれ異なるため、詳しくは司法書士や行政書士、弁護士にお問合せください。 ちなみに、遺言書は「自筆」が基本です。項目が多くなりやすい財産目録は、パソコンで作成しても構いません。ただし、一枚一枚に自筆の署名と押印が必要です。

 

参考:知っておきたい遺言書のこと 無効にならないための書き方、残し方|政府広報オンライン

 

パソコンのデータを自動消去するアプリ

 

パソコンに保管される個人的なデータを削除してくれるアプリもあります。2つのアプリを紹介します。

 

 

アプリ「死後の世界」

「死後の世界」は、あらかじめ登録しておいたドライブやフォルダ、ファイルなどを消去してくれるフリーソフトです。 消去するタイミングは年月日指定と、最終起動日からの期間指定の2種類です。生前整理として利用する場合は、最終起動日からの期間指定が良いでしょう。

消去実行時にメッセージを表示する機能もあります。

※Windows版のみ提供されています。

 

死後の世界

 

 

 

アプリ「僕が死んだら…」

「僕が死んだら…」も、パソコンのデータを自動削除するフリーソフトです。 ソフトのダウンロード後、あらかじめ削除したいファイルやフォルダを登録しておきます。その後、デスクトップにソフトのショートカットを作成。また、家族に向けたメッセージも作成し、保存します。 死後、遺族がパソコンを起動してデスクトップのショートカットを開くと、作成したメッセージが表示されます。遺族がメッセージを読んでいる間に、登録したファイル・フォルダが消去されているという仕組みです。 ショートカットを確実に開いてもらうために、パソコンを開いたときに目に留まりやすい名前にしておくと良いでしょう。

 

僕が死んだら…

 

 

家族や知人にメールを送るサービス

大切な人に、別れを告げられないまま旅立たなければならなくなるのは、悔やんでも悔やみきれないもの。そんな心配には、Proof of Lifeというサービスを利用してはいかがでしょうか。

 

Proof of LifeはSNSと連携し、SNSの更新が止まったときに、所有者に確認メールを送ります。確認メールに返信がないと「生存を確認できない」と判断し、登録されているアドレスに連絡を送信するサービスです。

 

SNSでのつながりが多い人、頻繁にSNSを更新している人におすすめです。

 

生前整理サービス

生前整理を手掛ける専門サービスを利用すると、プロの手で手際よく片付けが進みます。自分一人では気づけない視点を指摘してもらえたり、これからの生活がより良くなるヒントを教えてもらえたりするのも嬉しいポイントです。

 

専門サービスを利用する場合は、地域に密着した業者を選びましょう。地域に根付いた業者はスピーディかつ丁寧で、自治体ごとに異なるごみの処分ルールも熟知しています。

 

山口県(柳井市・岩国市)の生前整理は、便利屋smile243にご相談ください

 

便利屋smile243は、柳井市・岩国市を中心に、生前整理から家の小さな御用まで、何でも解決する便利屋サービスです。

 

受け付けは365日・24時間!生前整理を思い立ったその時にご連絡いただければ、すぐに駆けつけます。生前整理の始め方や不用品の処分、庭のお手入れ、家の修繕など、何でもご相談ください。女性スタッフも在籍しています。

 

また、専門家のサポートが必要と判断した場合は、行政書士や司法書士などもご紹介します。 引き出し一つ、写真1枚からのご相談もOK!現場を拝見してお見積りをお出しします。金額と内容にご納得いただけたら、正式にお申し込みください。まずは、現場のお見積りから!ご連絡をお待ちしています。

 

まとめ

生前整理は、元気なうちに身の回りを片付ける作業です。自分の死後、家族に過大な負担がかからないよう、不用品は処分し、大切な情報はまとめておきます。 手間と時間がかかるため、思い立ったら早めにスタートするのがおすすめ。難しく考えず、机やテーブルの上から始めてみましょう。

 

「物が多くて一人では進められない」「思い出に浸ってしまい、作業の手が止まる」といった場合は、プロにサポートしてもらうと円滑に進みます。地域に密着した便利屋サービスに相談してみてはいかがでしょうか。

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